燃料電池(英:fuel cell)は、燃料(多くは水素)と酸化剤(多くは酸素)の化学エネルギーを、一対の酸化還元反応によって電気に変換する電気化学電池である。
 燃料電池が多くの電池と異なる点は、化学反応を維持するために燃料と(通常は空気からの)酸素を継続的に供給する必要がある点である。一方、電池では化学エネルギーは通常、電池内に既に存在する物質から得られる。
 燃料電池は、燃料と酸素が供給される限り、継続的に電気を作り出すことができる。(Wikipedia)

燃料電池の種類と特徴

Types and Characteristics of Fuel Cells

固体酸化物形
SOFC

(Solid Oxide F.C.)
溶融炭酸塩形
MCFC

(Molten Carbonate F.C.)
リン酸形
PAFC

(Phosphoric Acid F.C.)
固体高分子形
PEFC

(Polymer Electrolyte F.C.)
アルカリ水溶液形
AFC

(Alkaline F.C.)


電解質物質  安定化ジルコニア (ZrO2 + Y2O3)
  • 炭酸リチウム (Li2CO3)
  • 炭酸カリウム (K2CO3)
 リン酸 (H3PO4)  イオン交換膜(特にカチオン交換膜)  水酸化カリウム (KOH)
イオン導電種 O2-CO32-H+ OH-
比抵抗 ~1Ωcm ≦20Ωcm  ~1Ωcm
作動温度 700~1000℃ 600~700℃  190~200℃  80~120℃  50~150℃
腐食性 中程度
使用形態  薄膜状  マトリックスに含侵 又は ペーストタイプ  マトリックスに含侵  膜  マトリックスに含侵

触媒 不要 Pt NiAg
燃料極(-)  H2 + O2- → H2O + 2e-  H2 + CO32- → H2O + CO2 + 2e- H2 → 2H+ + 2e-  H2 + 2OH- → 2H2O + 2e-
空気極(+) ½O2 + 2e- → O2- ½O2 + CO2 + 2e- → CO32- ½O2 + 2H+ + 2e- → H2O ½O2 + H2O + 2e- → 2OH-
燃料(反応物質) 都市ガス、LPガス、石油、メタノール、石炭ガス、純水素 等  純水素CO2含有不可)
システム発電効率  50%~  ~50%  35~45%  ~50%  ~60%

定置  大規模発電、家庭用分散電源  発電施設やオフィスビル等の高出力の電気供給システム  工場や事業所のコージェネレーション発電設備  家庭用の分散型電源  宇宙産業
移動体  移動電子機器用電源 自動車や船舶の動力源 自動車などの動力源 自動車などの動力源
問題点
及び
開発課題
  • セル構造
  • 耐熱材料
  • 電解質の薄膜化
  • サーマルサイクルに対する耐久性
  • 構成材料の耐食、耐熱化
  • CO2の循環系など要素技術の開発、熱収支、ボトミングサイクルを考慮したシステム解析
  • 安価な触媒の開発あるいはPt使用量の低減
  • 発電システム全般にわたる長寿命化、低コスト化
  • 構成材料の高性能化、長寿命化
  • セル構成技術と大型化
  • 温度、水分管理
  • Pt使用量の低減
  • 燃料、酸化剤中のCO2による電解液劣化
地上では実用化されていない